はじめに:銘柄選びは“未来の自分”への投資
「どの株を買えばいいのか分からない」——これは初心者が最初にぶつかる壁です。でも、銘柄選びには“型”があります。分析手法を学んだ今だからこそ、実践ステップに進むタイミングです。
今回は、初心者でも実践できる銘柄選びのステップと、実際の企業を例にした分析の流れを紹介します。未来の自分が「この銘柄を選んでよかった」と思えるような判断軸を、一緒に作っていきましょう。
銘柄選びの3ステップ
① 業種・テーマを選ぶ
まずは、自分が興味のある業界や、今後伸びそうなテーマからスタートしましょう。
- AI・EV・再生可能エネルギーなどの成長テーマ
- 食品・インフラ・通信などの安定業種
📌「知っている企業」「身近なサービス」から選ぶのも立派な戦略です。
② 財務状況をチェック(ファンダメンタル分析)
企業の「中身」を見ることで、長期的な安心感が得られます。
- 売上・営業利益・純利益の推移
- EPS(1株利益)やROE(自己資本利益率)
- 自己資本比率や負債比率などの財務健全性
📌 安定成長している企業は、株価も安定しやすい傾向があります。
💰 財務状況から見る「買い判断」と「見送り判断」
銘柄選びで「この企業、買っても大丈夫かな?」と迷ったときは、財務指標をチェックするのが有効です。ここでは、初心者でも判断しやすいように「買い判断」と「見送り判断」の目安を整理しました。
✅ 買い判断のポイント(安心して投資できる状態)
📌 これらが揃っている企業は「長期保有に向いている安定銘柄」として、安心して投資しやすいです。
❌ 見送り判断のポイント(慎重になるべき状態)
📌 これらの状態でも「再建中」「一時的な要因」ならチャンスもありますが、初心者はまず避けるのが無難です。
🔍 補足:割安かどうかもチェックしよう
- PER(株価収益率):15倍以下なら割安感あり。ただし業種によって基準は異なる。
- PBR(株価純資産倍率):1倍以下なら資産価値より株価が安い可能性あり。
📌 割安でも業績が悪ければ“安かろう悪かろう”になるので、財務とセットで見るのがポイントです
10日間無料お試しはこちら③ チャートでタイミングを確認(テクニカル分析)
「いつ買うか?」の判断にはチャートが役立ちます。
- 移動平均線(25日・75日・200日)でトレンドを把握
- RSIやMACDで買われすぎ・売られすぎを判断
- 出来高の変化で注目度をチェック
📌 ファンダメンタルで「買いたい銘柄」を見つけ、テクニカルで「買うタイミング」を探るのが理想です。
市場区分の違いとおすすめ
2022年の市場再編により、東証一部・二部は廃止され、現在は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に分かれています。
📌 初心者はまず「プライム市場」から選ぶと安心。情報開示がしっかりしており、財務も安定している企業が多いです。
実例紹介:トヨタ vs 東京電力
🚗 トヨタ自動車(7203)【プライム市場】
ファンダメンタル分析
- 世界トップクラスの自動車メーカー。売上・利益ともに安定。
- 自己資本比率:約40%、ROE:10%以上。
- EV・水素戦略など将来性も高く、長期保有に適した銘柄。
テクニカル分析
- 株価は2,500円〜2,800円のレンジで推移。
- 50日移動平均線が上向きで、MACDはゴールデンクロス後の上昇トレンド。
- RSIは60〜70付近で推移しており、買い圧力が強め。
📝 まとめ:中長期で安定成長を狙いたい投資家におすすめ。押し目での買いタイミングをチャートで見極めると◎。
⚡ 東京電力ホールディングス(9501)【プライム市場】
ファンダメンタル分析
- 日本最大級の電力会社。再生可能エネルギーや原発再稼働で注目。
- 株価は700円台、PBR0.4倍・ROE4%台と割安感あり。
テクニカル分析
- 株価は650円〜750円のボックス圏。
- 75日移動平均線を上抜け、MACDもシグナルラインを上抜け。
- 出来高も増加傾向で、注目度が高まっている。
📝 まとめ:割安感と再評価期待がある銘柄。短期〜中期での値動きに注目しつつ、チャートでタイミングを見極めるのがポイント。
銘柄選びは“自分の軸”を持つことから
銘柄選びは、情報に流されず「自分の軸」で判断することが大切です。業種・財務・チャートの3ステップを意識することで、納得感のある投資ができます。
次回は「分析ツールの使い方」や「ポートフォリオの組み方」に進む予定です。あなたの投資判断が、少しずつ“自分らしいもの”になっていくことを願っています。


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